設立趣旨
筆跡鑑定を必要とする全ての人に
遺言書や怪文書、また、その他の種々な書類に執筆された、その筆跡が関係する当事者の真筆であるか否かの真偽について、多くの鑑定人が日ごとに真実の探求のため、研鑽に励んでおります。
昭和20年代初頭に法律が旧法から新法へと大改正されたことをきっかけに、係争問題に鑑みいよいよ筆跡の真偽の確認のための筆跡鑑定が必要な作業となって今日に至っております。そのような状況下にあって、昨今では日に日に進化を遂げるコンピューター活用の中にありましても、筆跡の真偽の問題については、コンピューターでは解決不可能な状態であり、筆跡鑑定人のキャリアに基づく、人による解明作業に頼らざるを得ない状況となっております。
特に、裁判への一般人参加による裁判員制度も開始されました今日に至っては、必要あらば的確な筆跡鑑定による真偽の判断の結果を得ることも、重要な条件の一つともなってまいります。
筆跡鑑定に際しましては、必要に応じて筆跡鑑定書の作成をいたします解説記事の中には、多くの読み慣れない専門用語や造語などが種々使用されており、それらの用語も鑑定書によって種々様々な使用状況が観察され、そうでなくとも鑑定書を見慣れない方々にとっては、判り難い文章であるものが、益々理解しがたい文章となってしまう状況が発生してしまうことをよく耳にいたします。
同様にして完成されました筆跡鑑定書のパターンの表現の仕方や、資料の作成の方法なども共に、鑑定人ごとに異なる状況となっております。これらの状況に鑑み、日本筆跡鑑定協会を設立して、完成された筆跡鑑定書の結論が正確で、可能な限り誰にでも理解し易く、更に、出来得る限り早期に完成することなどを目標として、益々種々な有益な真実探求のための研鑽を重ねてまいりたいと望んでおります。
日本筆跡鑑定協会 名誉会長:天野瑞明